塾の指導形態も多様化してきました。昔とは違った今だからこその指導の方法もあります。
それぞれの特徴や違いを理解し、通わせる塾選びの参考にしてみてください。
ちなみにですが、私は集団授業の講師をしています(^-^)/
集団授業
多くの塾で行われてきた指導形態。黒板とチョークを使用して学校と同じような雰囲気の中授業が進んでいきます。ホワイトボードとマーカーを使用している校舎があったり、最近では電子黒板を使用している校舎なんてのもあります。コロナ禍の影響でZOOMを使用した授業が多く展開される中、塾の授業方法も大きく進化しています。
指導内容
塾が決めたテキストやプリントなどを使い、学校の授業と同じように講師が解説や指示をしながら授業を進めます。多くの集団授業の塾では予習型になっていて、学校よりも先行して教科書内容を進めていきます。学校では習っていないところを週1ないしは週2で授業を行なっていくので、チェックテストなどを用いて定着を図りながら進めているところもあります。授業時間は45〜90分程度で、授業時間が短い塾などは、事前の予習が必要な場合もあります。
○特徴
- 授業の進度は一定で、理解できていない部分があっても、カリキュラム通りに進むことが多い
- 授業でわからなかった部分は後で質問するなどして解決する必要がある
- 他の生徒と一緒に学ぶため、ある程度の緊張感を持って切磋琢磨できる。入試など、集団の中で問題を解く場面に早く慣れることができる
- 講師が多くの生徒を一斉に指導するので、支払う授業料は、他の形態よりも比較的抑え目
△注意点
- 授業に遅れると追いつくのが難しい
- 先生の交代は難しい場合が多い
- 他の生徒の影響を受けやすい
- わからないところを質問しづらいと感じる生徒もいる
- 学力別にクラス分けがされていないと、玉石混交の状態で授業を受けることになってしまう
◎向いている生徒のタイプ
- ライバルがいると張り切る、負けず嫌いなタイプ
- 学校のような雰囲気で授業を受けたいタイプ
- 講師とコミュニケーションがとれ、自分から質問をすることができるタイプ
個別指導
生徒個々のニーズに合わせた授業を展開することができ、特に首都圏で人気が高いです。講師の当たり外れもあるのでまずは無料体験などで自分に合った講師かどうかを確かめると良いでしょう。
指導内容
何を勉強するかの決定権が生徒側にあるのが個別指導の大きな特徴です。20世紀末から登場した個別指導は、受験対策以外にも、学校の授業の復習や不得意強化対策、英検・漢検対策、部活動との両立を目指すなど、生徒のニーズに応じたきめ細かい指導をマンツーマンで行います。中には講師1:生徒2〜8などといった集団個別のような授業形態もあります。いずれにしろ、自分の要望が叶うかどうかがその塾にするかどうかの決定打になります。
○特徴
- 生徒の理解度や学校の進度、部活動などの時間に合わせて学習内容や指導日を決められる
- わからないところは徹底して教えてもらうことができる
- 基本的に1対1でl面倒を見てもらえるため、他の生徒を気にせず、リラックスして学習できる
- きめ細かい指導を望めるが、少人数の生徒に講師が1人のため、やや授業料がかかる
△注意点
- 何でも講師頼みになり、自主性や自立心が育ちにくい
- 集団内での自分のレベルや位置がわかりにくい
- 緊張感が薄く、集中してやれないと時間を無駄にしがち
- 大学生の講師がバイトで行なっているところが多い
◎向いている生徒のタイプ
- 集団が苦手なマイペースタイプ
- 人のことを気にしやすい、繊細なタイプ
- 必要なところだけを補いたい効率派タイプ
自立型指導
子どもの自主性を伸ばすことを重視。生徒個々がタブレット端末を持っており、その日にやるものから進捗状況まで、何をやるのかどこまで進んでいるのかなどを生徒が把握することができ、管理能力も高めることが期待される。
指導内容
2020年から実施されている新しい学習指導要領では、「主体的に学習に取り組む態度」が重要視されています。それに対応するために注目されてきているのが自立型指導。学年や教科を問わず、一つの教室で、生徒がそれぞれ自分で学習を進めていきます。講師は教室内に数人いて、生徒全員の様子を見ながら、個別に指示を出します。ここ数年で教育の映像コンテンツが充実し、映像授業を取り入れやすい環境になってきたことでも、自立型指導が増えてきた要因として考えられます。
○特徴
- 講師の指示はあるが、目標やプランは理解度に沿って自分で考えるため、計画を立てる力が身につけられる
- 他の生徒たちも学習に取り組む環境の中で、緊張感を持ちながらも自分のペースで学習できる
- 講師が同時に複数の生徒を指導できるので、授業料はやや抑え目
- きめ細かい指導を望めるが、少人数の生徒に講師が1人のため、やや授業料がかかる
△注意点
- 生徒のタイプによって、合う・合わないの差が大きい
- 自立心や自主性が身に付いていない場合、効果が出にくかったり、そもそも授業が成り立たないことがある
◎向いている生徒のタイプ
- 自分に合った勉強法を確立したいタイプ
- 自分で決めたことはやり抜く、意志の強いタイプ
3者比較
以上、私の勝手な主観が大きく影響しますが、3つの指導形態をまとめると下記の表のようになります。
指導形態 | 特徴 | 価格 | 評価 |
---|---|---|---|
集団指導 | 緊張感を持って切磋琢磨できる カリキュラム通りに進み、学校の予習ができる わからないところを質問しづらい | 約1,000円/h | 安い|
個別指導 | わからないところをいつでも質問できる 生徒都合で学習内容や指導日を決定できる なかなか体系的に学ぶことができない | 約4,000円/h | 高い|
自立型指導 | 自主性が高く、目標を高く保ちやすい スケジュールや苦手分野が視覚的にわかりやすい AIの活用などにより、効率が良い | 約2,000円/h | 普通
集団授業は、わからないところをその場で解決しにくいのが一番のネックでしょう。逆に、それを解決できるのであれば友人と一緒に通える集団授業はコスパ的にも良い選択になると思われます。
個別指導は時間単価が高いことがネックになってしまいますね。普段の学習は自分で行い、わからないところのみを個別指導で聞くなど、効率よく学習していく必要があるでしょう。
自立型指導は上記のように、意識の高い生徒にとっては一番学習効果の高い選択肢になると思います。自宅の周囲に自立型指導を行なっている塾があるのであれば、検討してみても良いと思われます。ただし、学習に対して前向きでない場合は効果が薄いので、まずは気持ちを高めることが先決でしょう。
学習以外の取り組み
学習塾は通常の学習以外にも様々な取り組みが行われているところが多いです。通うことになる塾が、勉強以外にどんな取り組みをしているのかも、参考にしてみても良いのではないでしょうか。
奉仕活動
塾の売上金の一定額を国連やNPO団体に寄付したり、地域の清掃ボランティアなどを実施している。
卒業生による座談会
中学生を対象に、先輩の高校生の話を直に聞く場を設けている。中学校生活での話や受験生の時の勉強方法、高校に進学してからのギャップなどを話すことで、生徒の学習への意欲を高めることができます。
理科実験教室
夏期講習などの期間を利用して、身近な科学に触れる場を作ります。楽しんで遊んでいるだけのこともありますが、科学に触れるきっかけが学習への意欲を高めることに繋がります。また、作成したものを夏の自由研究の作品にできるような課題を設けている塾もあります。
社会見学
講師が引率し、博物館や科学館、企業の工場などを見学する企画です。コロナ禍で工場見学を休止している企業や、社会見学を見送っている塾もありますが、子どもの知る機会を増やし、世界観を広げることを目的として実施しています。
最後に
いかがでしたでしょうか。
授業形態は三者三様ですので、それぞれに一長一短があります。お子さんの性格や特徴に合った塾選びができると良いですね(^_-)今回の記事が参考になったのであれば嬉しいです。
それではまた別の記事でお会いしましょう。
最後までご精読ありがとうございました!