どうも、しもひです!
先日は推薦選抜と特色選抜についてお話しましたが、本日は一般選抜についてのご案内です。
公立高校に進学される方はこの一般選抜によって入学する方が多いですね。
今回はそんな愛知県公立入試の一般選抜の特徴と2023年度からの変更点について、だいぶ長くなってしまいますが、大事なことですので最後まで詳しく見ていきましょう。
一般入試のしくみ
日程
- 出願 2月10日(金),13日(月)
- 学力検査 2月22日(水)
- 合格発表 3月9日(木)
2023年度入試より、従来より2週間程度早い入試日程になりました。そのため3学期学年末テストの調整がされ(学校によって様々ですが、年明けすぐの10・11日頃に実施する学校、私立入試後の1月25・26日頃に実施する学校、そもそも学年末テストを実施しない学校などがあります)、入試直前の取り組み方・時間の使い方が大きく変わろうとしています。
特徴
愛知県の公立高校は居住地域により尾張と三河の2つに分けられ、尾張はさらに尾張1群と尾張2群とに分けられます。受験者は、尾張の場合は1群か2群かを更に自身で選択することになります。また、それぞれの群にはさらにAグループ・Bグループがあり、それぞれから1校を選択して最大2校受験することができます。
また、合格発表は第一志望の高校で発表され、合格した場合は原則その学校に進学しなければなりません。すでに合格している私立高校と天秤にかけ、どちらに進学するか迷うことはできない仕組みとなっています。
学区・群分け
普通科
尾張学区 | 三河学区 | |
市町村 | 名古屋市、一宮市、瀬戸市、半田市、春日井市、津島市、犬山市、常滑市、江南市、小牧市、稲沢市、東海市、大府市、知多市、尾張旭市、岩倉市、豊明市、日進市、愛西市、清須市、北名古屋市、弥富市、あま市、長久手市、愛知郡、西春日井郡、丹羽郡、海部郡、知多郡 | 豊橋市、岡崎市、豊川市、碧南市、刈谷市、豊田市、安城市、西尾市、蒲郡市、新城市、知立市、高浜市、田原市、みよし市、額田郡、北設楽郡 |
尾張1群 | 尾張2群 | 三河群 | |
Aグループ | 旭丘、惟信、松蔭、昭和、熱田、豊明、日進西、犬山南、江南、小牧、一宮北、一宮南、津島、海翔、半田東、常滑、内海、緑、名東 | 明和、松蔭、名古屋南、瀬戸西、春日井、春日井西、高蔵寺、長久手、新川、一宮、一宮北、津島、津島北、海翔、常滑、東海南、大府、内海、向陽、山田 | 岡崎、刈谷、豊田北、豊丘、国府、豊田南、安城、岡崎西、豊橋南、西尾東、一色、衣台、福江、御津、高浜、足助、加茂丘、岩津 |
Bグループ | 名古屋西、中村、鳴海、天白、春日井東、日進、東郷、犬山、尾北、小牧南、丹羽、一宮西、木曽川、美和、半田、大府東、阿久比、東浦、武豊、菊里、富田 | 千種、守山、瑞陵、瀬戸、春日井東、春日井南、旭野、犬山、小牧南、西春、一宮興道、木曽川、津島東、美和、五条、横須賀、大府東、阿久比、東浦、武豊、桜台、北 | 時習館、豊田西、豊橋東、岡崎北、刈谷北、西尾、知立東、安城東、小坂井、豊田、成章、豊野、幸田、碧南、安城南、吉良、蒲郡東、松平、三好、田口 |
調整区域居住生徒の受験校について
下の表の「居住地」に居住する生徒は、それぞれの学区内の高校に加え、「学区外で通学可能な高等学校」に記載された高等学校を受験することが出来ます。
居住地 | 学区外で通学可能な高等学校 |
大府市および豊明市 | 刈谷・刈谷北・知立東 |
知多郡東浦町 | 刈谷・刈谷北・知立東・高浜 |
豊田市およびみよし市 | 東郷・日進・日進西 |
刈谷市および知立市 | 豊明・大府・大府東・東浦 |
日進市および愛知郡東郷町 | 豊田西・衣台・豊田・三好 |
高浜市 | 東浦 |
知多郡南知多町篠島および日間賀島 | 三河学区に属する高等学校 |
西尾市一色町佐久島 | 尾張学区に属する高等学校 |
総合学科・専門学科
Aグループ
商業 | 愛知商業、一宮商業、津島北、半田商業、岡崎商業、国府、豊橋商業、市立若宮商業 |
工業 | 名古屋工科、春日井工科、一宮工科、一宮起工科、常滑、碧南工科、豊田工科、豊橋工科、市立工芸 |
農業 | 半田農業、安城農林、新城有教館・作手校舎 |
家庭 | 一宮、大府、安城、岩津、一色、豊丘、豊橋南 |
理数 | 市立向陽(国際科学) |
福祉 | 海翔、高浜、宝陵 |
総合 | 豊田東、蒲郡、市立西陵、瀬戸北総合、緑丘、知立 |
その他の専門学科 | 旭丘(美術)、明和(音楽)、宝陵(衛生看護)、御津(国際教養)、市立名東(国際英語) |
Bグループ
商業 | 中川商業、春日井泉、木曽川、犬山、古知野、東海樟風、碧南、成章、市立名古屋商業 |
工業 | 瀬戸工科、小牧工科、愛西工科、半田工科、岡崎工科、刈谷工科、豊川工科、私立工業、愛知総合工科 |
農業 | 佐屋、猿投農林、渥美農業、田口 |
家庭 | 瑞陵、古知野、佐屋、桃陵、松平、吉良、成章、市立桜台 |
理数 | 瑞陵、岡崎北 |
福祉 | 古知野 |
総合 | 杏和、岩倉総合、知多翔洋、鶴城丘、南陽、岡崎東、新城有教館、豊橋西 |
その他の専門学科 | 千種(国際教養)、尾北(国際教養)、刈谷北(国際教養)、桃陵(衛生看護)、三好(スポーツ科学)、三谷水産(水産)、市立菊里(音楽) |
内申点
公立高校の入試には内申点が使用され、いつの内申点が使用されるのかは以下のようになっています。
- 私立推薦入試、公立推薦入試・・・2学期内申点
- 公立一般入試 ・・・3学期内申点
学年末テストがある学校では、1学期のウェイトが約40%、2学期のウェイトが約40%、3学期のウェイトが20%程度の割合で3学期内申点が決定されます。ただし、令和4年度では定期テストの見直しが多くの学校で行われ、中間テストを実施しない学校が増えてきています。そういった場合は1学期〜3学期までのウェイトは各33%ずつと考えることができます。また、学年末テストを実施しない学校では1学期・2学期ともに50%ずつと考えて良いでしょう。いずれにしても、定期テストの結果が重要であるということです。
玉突き現象
愛知県では複合選抜制度が適用されていますので、第1志望でA高校に不合格であった生徒がもし第2志望でB高校を志望している場合は、B高校受験者の母体数が増え、必然的にB高校を第1志望とする生徒の合格者数は減少します。また、その煽りをC高校が受けるという連鎖反応が発生するわけです。これが愛知県が複合選抜制度を採用していることによって生じる「玉突き現象」です。
※図では簡略化するため、B高校を第2志望とする生徒は全員合格としています。
入試平均点の推移
令和3年度入試は新型コロナウィルスの影響で緊急事態宣言が全国に発令され、学校が約1か月間休校となりました。その結果学校の進度の遅れが発生し、公立入試の問題の難易度を引き下げる措置がとられたため、例年に比べて各教科軒並み(社会を除いてですが・・・)平均点が高くなっています。
学年別出題範囲
各教科に共通して言えることですが、1・2年生の内容が出題範囲の半分以上を占めています。そして、3年生の内容は1・2年生の基礎基本が元になっていることは言うまでもありません。また、1つの問題を解くのに、複数の単元をまたいだ知識や思考が必要になる問題も多くあります。1・2年生の復習は早めに行っておきましょう。
令和5年度入試からの変更点
変更点①:入試日程
例年3月上旬に行われてきた一般選抜(A日程・B日程)が上述のように、2月末へと変更となり、2週間ほど早まりました。合格発表も3月中旬(令和4年度入試の際は3月19日でした)から3月上旬へと変わり、合否通知から高校進学までの時間にゆとりができる一方、履修範囲を全て学び終わってから受験までの時間は短くなっているので、早めの対策が必要になってきます。
変更点②:受験回数・受験方法
A日程・B日程の2回受験から1回受験に変更となります。試験は1回ですが、第一志望・第二志望とこれまで通り2校選択することができ、1回のテストの結果が2校に使用されることになります。
変更点③:記述からマークシートへ
全校で同一の採点基準とするため、解答方法をマークシートへ変更となります。マークシートの記入形式は令和4年6月頃に発表となりますので、今後の動向に注意して、早めにオリジナルを確認したいところですね。
変更点④:校内順位および合格者の決定方法
従来の校内順位および合格者の決定方法
挿入の図が見にくい場合は、下のリンクからご覧ください。
①評定得点・学力検査合計得点ともに合格圏内の生徒を「A」それ以外の生徒を「B」とし、まずは「A」に属する生徒全員を合格とします。
②残りの定員枠を「B」の生徒で争うことになるわけですが、「B」枠の合格者の算定方法は高校ごとに下記Ⅰ〜Ⅲの方式が決められているので、その高校ごとに受験者の得点を計上し点数の高い人から合格となり、受験者全員の合否が決定します。
- Ⅰ.「評定得点×2」×1(90点) +「学力検査」×1(110点) =200点
- Ⅱ.「評定得点×2」×1.5(135点)+「学力検査」×1(110点) =245点
- Ⅲ.「評定得点×2」×1(90点) +「学力検査」×1.5(165点)=255点
県内上位の学校の多くはⅢのタイプであり、「評定得点」よりも「学力検査」が重要視されています。
新しい校内順位および合格者の決定方法
①従来の評定得点・学力検査合計得点ともに合格圏内の生徒を「A」とした区分けがなくなり、評定得点と学力検査の合計得点のみで合否が決定されるようになりました。
②上記Ⅰ~Ⅲの方式に加え、新たにⅣとⅤの方式が追加されました。
- Ⅰ.「評定得点×2」×1(90点) +「学力検査」×1(110点) =200点
- Ⅱ.「評定得点×2」×1.5(135点)+「学力検査」×1(110点) =245点
- Ⅲ.「評定得点×2」×1(90点) +「学力検査」×1.5(165点)=255点
- Ⅳ.「評定得点×2」×2(180点) +「学力検査」×1(110点) =290点
- Ⅴ.「評定得点×2」×1(90点) +「学力検査」×2(220点) =310点
特に地域のトップ校の多くが「Ⅴ」の方式を採用しており、当日の学力検査の結果がより重要になったということになります。どの高校がどの方式なのか、詳しくは下のリンクよりご確認ください。
変更点⑤:面接の有無
従来まで全高等学校で実施されていた面接ですが、令和5年度入試より各高等学校の裁量に委ねられるようになりました。尾張・三河合わせて全105校のうち、面接を実施する学校は15校のみとなり、90%近くの学校で廃止される運びとなりました。詳しくは、変更点④のPDFファイルをご覧ください。
まとめ
今回の入試制度の変更をまとめると、「より簡潔に、そしてより学力重視へ」といった感じでしょうか。
各中学校の裁量で決まる評点得点よりも、当日の学力検査を重視するのは至極当然のことのようにも思えますし、今の社会を如実に表しているようにも思えます。
これからの日本は少子高齢化がさらに進み、個で活躍する力・スキルが必要となってくる時代です。
みなさんも、周りに負けない自分の力を伸ばしていきましょう(^^♪
それではまた別の記事でお会いしましょう!
最後までご精読ありがとうございました。